地域の水質によってアトピーの改善度合が違う理由を考えてみる

アトピーと水質

地域の水質によって私のアトピーの治り具合がかなり変わってくるというのは、当サイトのあちこちに書いておりまして、具体的には以下のような(ちょっと不思議な)傾向があります。

  • 東京:改善しやすい
  • 名古屋:悪化しやすい
  • その他:まちまち(千葉、埼玉、栃木など)

アトピーに関しては水中の残留塩素がよく問題視されるため、私も例外なくまずは残留塩素に目をつけて地域の水質の違いについて調査しておりました。しかし、どうも残留塩素だけでは説明がつかないんですよね。そこで、ここでは地域によってどのような理由で水質が異なるのか、それがアトピーにどのように影響するのか、考えていきたいと思います。

なお、本記事は万人のアトピーが水質によって改善しうることを保証するものではありません。当サイトへ初めてお越しの方は、まずは以下の記事をお読みいただき、ご自身にとって有益な情報になりうるかどうかを判断していただければと思います。

地域による残留塩素濃度の違い

残留塩素だけでは説明がつかないと言いつつ、まずはおさらいとしてこれについて考えます。

以下のホームページで、各水道事業者の水質検査結果を調べることができます。残留塩素濃度以外にも、様々な検査項目が記載されています。

ここで調べた限りでは、特定の地域で目立って残留塩素濃度が高くなっているようなことはありません。それもそのはず、日本では蛇口での残留塩素濃度が0.1~1.0mg/Lの間になるように管理する決まりがありますので。

↑より詳しい残留塩素の基準値については、こちらの記事に書きました。

日本国内では、地域による残留塩素濃度の違いはあまりない

地域による処理方法の違い

通常、浄水場で行われる水処理には「沈殿」「濾過」「化学処理」があります。塩素消毒は3つ目の「化学処理」に当たります。地域ごとの水源の水質などによって、これらの処理の細かい内容や運用方法は異なるかもしれません。

さらに発展させた処理方法として「高度浄水処理」があります。「アトピーと水質」という観点から、私が特に注目している処理方法です。

高度浄水処理について

近年では、東京や大阪などの大都市を中心に、高度浄水処理が導入されています。今まで処理できなかった物質を処理できるほか、施設内・施設周辺の悪臭対策にもなっています。

高度浄水処理には以下の3つの処理工程が含まれます。

活性炭処理

微細な穴がたくさん空いた活性炭に、不純物を吸着させる処理方法です。

アトピー対策の一環で、お風呂に備長炭を入れて残留塩素を除去する方法がありますが、原理的にはあれと同じです。活性炭は穴の数が非常に多く、備長炭のパワーアップ・バージョンといえます。

オゾン処理

こちらは塩素と似たような役目があり、高い攻撃力(専門的には、酸化力)で物質の分解や殺菌を行います。塩素以上の攻撃力がありますが、逆に寿命が短くなっています。このため、塩素のように残留させて細菌の繁殖を防ぐようなことはできませんが、浄水場内での水処理にはもってこいです。

生物処理

微生物による処理方法です。世の中にはいろいろな微生物がいて、それらが栄養源とする物質も様々です。水中の不純物の多くは、何らかの形で微生物の栄養となり、分解処理することが可能です。

全国的には地域ごとの水処理方法はそんなに変わらないが、大都市圏では高度浄水処理が導入されている

地域による水源の違い

同じ日本列島の山から流れてくる水ではありますが、その水源となる山の形成過程から周辺で栄えた産業に至るまで地域環境の歴史は異なるので、それぞれの水源における水質も変わってきます。

硬度

馴染みの深い指標のひとつに、硬度があります。硬度は水中にカルシウムとマグネシウムがどれだけ含まれているかで決まります。

  • 硬水:120mg/L以上
  • 軟水:120mg/L未満
世界保健機関(WHO)の指標

上の基準に照らしてみると、日本の場合はほぼすべての地域が軟水ですが、数字を細かく見るとそこそこのばらつきがあります。一例として、関東や九州では比較的硬度が高めの傾向があります。一方、海外ではヨーロッパを中心に硬水の地域が多いです。

普通に考えると余計な含有成分の少ない軟水の方がアトピー肌には良さそうですが、私の場合は比較的硬度の高い関東(東京)で改善しやすいという逆の傾向が出ています。

配水管などの劣化

これは地域的な違いというよりは、その場所ごとに使用されている配水管の材質や劣化具合であったり、各家庭の蛇口までの配管やマンションの貯水槽の汚れ具合であったりというようなことです。

せっかく浄水場できれいになった水も、家庭に届くまでの配水管が劣化などしていれば汚れてしまいます。配管からの溶出成分がアトピーに悪さをしている可能性も、ゼロではないです。

ただ、配管の汚れ対策というのはちょっと難しいです。築年数が古い建物であれば配管も劣化しているという推測が立ちますが、だからと言って交換するのは費用がかかりますし、何より家の配管だけの問題ではない可能性が高いので、そこまでする価値があるのかは疑問です。

アトピー対策の際に配管が怪しいと思ったら、近隣の温泉や銭湯などを数日利用してみて、家でのお風呂上がりと比較してみるのがいいと思います。温泉の場合は、最後にシャワーで身体を流します(比較したいのは、あくまで配水管なので)。もし場所ごとに違いが出るようであれば、本格的に水質分析などを検討してみるのもいいでしょう。

私自身も名古屋周辺のいろいろな銭湯を試した経験がありますが、どこの銭湯でもお風呂上がりは肌がピリピリした感じで、配水管の問題というよりは地域全体の問題かな、という結論に至りました。一方、東京では地理的に近い銭湯でもお風呂上がりに差を感じることがあり、配水管の問題もあるのかもしれない、と感じたこともあります。

配水管の劣化が水質に悪影響を及ぼす場合もある

地域の大気質との絡み

この見出しは水質と直接関係がないのですが、「肌に触れる要素」という観点で見ると共通ですので、ここで考えていきたいと思います。

黄砂・花粉

黄砂や花粉、あるいはPM2.5などもそうですが、ある程度の粒子径があるこれらの物質(粒子状物質)は空中に飛んでいる揮発性の有機化合物(VOC)などを吸着します。単純に粒子状物質自体が呼吸器系だけでなく皮膚にかゆみなどの害を与える可能性があるのはもちろん、それに吸着した物質によってかゆみが引き起こされる可能性も十分あります。

いずれも日本では避けることが難しい要素ばかりですが、海外で治療の拠点を探す場合には、これらのことを気にしてみるのもいいと思います。

湿気

東京と比べると名古屋や大阪は夏場の湿気がすさまじく、温度計の数字以上に暑く感じます。しかしそれだけではなく、これらの地域の湿気はカビの繁殖という点でもマイナス要因といえます。湿気の強い地域ではカビが繁殖しやすいため、ダニ・カビ類のアレルギー反応が強いとアトピーの治りが悪くなる可能性があります。

とある生物学系の研究者(知人)が、「同じシャーレ、同じ培地を用意しても、東京と比べて名古屋の方がカビが繁殖しやすい」と言っておりました。アトピー患者としては、過度の乾燥はもちろんのこと、過度の湿気にも気をつけるべきかもしれません。

空気も水と同様、「肌に触れるもの」。アトピー悪化に寄与することもある

まとめ

以上のように、アトピーの改善(悪化)に影響する「水質」は、いろいろな要素で決まってきます。アトピーの改善にはどこどこのお風呂がおすすめとか、一概に言うことができません。しかし、「いろいろな原因がある」ことを知り、一つずつ検証していくことが改善への足掛かりになりうると私は思っています。

私自身に関して言うならば、「高度浄水処理を導入していて、湿気が相対的に低い東京で改善しやすい。残留塩素や硬度のような指標は、そんなに関係なさそう」という形でまとめることができそうです。

「お風呂上がりに肌が突っ張る」という方は、私のように水質次第で突っ張りが軽減されるかもしれないので、いろいろと検討されてみてはいかがでしょうか。